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[コメント] マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015/豪)

エゴムービーながら大衆性への目配りもできていて、ビジュアル的には若い才能を自分の世界観の創造にうまく取り込んでいるプロデューサー映画。
おーい粗茶

作家個人のとても私的な動機や意図で作られているものは、やはりこだわりの強さがあるから面白い。最近はプロデュース力(資金集め)がなくてクリエーター部分の才能しかなくても、人に見せられるものとしては十分なクオリティで動画でも音楽でも作れるようになってきた。とはいえ、この作品の規模のものをやりたくなると、やはりお金と他人の才能を上手にまとめあげ、なおかつ自分の表現したいものを末端まで行き渡らすという、プロデューサー能力がないとできないだろうなと、監督のそこの力に一番感心した。

庵野や新海や宮崎駿は、樋口真嗣や川口元気や鈴木敏夫みたいな人のおかげで創造に専念できるし、いっぽうでジョージ・ルーカスみたいに早々と自分がプロデュースにまわって、創作のほうをまる投げしちゃう感じの人もいるけど、作り物として面白いのはやはり前者だと思う。本作はこの中間的な感じで、バランスがうまくとれていてかつ個人の独自性もよく出ているなあと感心するけど、やはり個人味が薄い気がした。個人味とはつまり「その人にしかわからない理屈」みたいなもので、要はマッドってことだから、それでいうとマッド不足ということなのだろう。でも他人の資金と力でマッドをやれるという人はやはり尊敬してしまう。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)DSCH[*] disjunctive[*] ぽんしゅう[*]

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