[コメント] カラフル(2010/日)
自分で自分を守ろうと、小さな胸を固く閉ざし、かえってそのためにいっぱいいっぱいになっている14歳が、今この瞬間もいるのだ。そういう想いを抱かされた。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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お腹が一杯になって死ぬ人間はいないんだが(たぶん)、人は胸が一杯になると、処理しきれないぐらいの衝撃を精神が受けると、死を選ぶこともあるのかもしれない。いまこの瞬間にも、自分を守るために、その小さな胸を固く閉ざして、でもかえってそのために余裕をなくして、ちょっとした衝撃を受けただけでも破裂してしまいそうな心を抱えた14歳が、いるのかもしれない。そういう存在を想うと、胸が痛む。
母の不倫は、映画としての仕掛けだろう。物語を短い時間で望む方向へ導くための。決して上手い仕掛けだとは言えないが。本来は、子どもの心理状態をこのようなままに放置して気づかずにいることがこの映画の追及すべき「悪」なので、それは不倫といったことに拠らず起き得るわけであるから、不倫として描かない方が普遍性が高まる。が、許容。
自殺は罪であるという考えを刷り込むことは、それによって自殺を考える人を押しとどめることができるのなら、良しとしてもいい。日本人が比較的無宗教なことと、自殺者数が多いことを思うと、因果関係がないとは言えないかもしれない。保留。
80/100(11/04/09見)
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