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[コメント] ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS(2003/日)

映画的? NOT映画的?(2003/12)
秦野さくら

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







まず、機龍がゴジラを抱擁し、2匹(?)が一体化するシーンでジーン……

そして、主人公が最後まで「整備士」として戦っていた姿にまたジーン……

「主人公は、最初はなんであれ、最後はパイロットになるはず」という、ガンダム系育ちのあまり根拠の無いその先入観を打ち砕いてくれたことに感動。そして、主人公が戦っていた相手は、「目前の敵」ではなく、「己自身」であったことに感動。何もできずに機龍のなかで葛藤する主人公に萌える!いままで見たゴジラ映画のなかで、主人公がこんなにもカッコワルく(先入観的見地)て、カッコイイ設定の主人公ってあんまりみたことない。

そしてもうひとつ。

機龍の最後の言葉、「SAYONARA」。 この、まったくもって分かりやすいキメ台詞を、ここ一番の見せ場で、しかもヴィジュアルで見せてしまうっていうのは、映画的かそうでないかって言われれば、あまり映画として美しくないのかもしれない。

ただ、これを、「ゴジラ映画」としてみれば、また違った意味を持つ。(ゴジラにとっては)不本意ながらも、ゴジラのDNAを持ったメカゴジラ(機龍)が誕生したことで、ゴジラは人間(局所的には日本人)と同じ「言葉」を持つことができたわけである。そして、重要な別れのシーンでその「言葉」を使って会話したことで、その人間然とした部分を見せたことで、ゴジラと人間に挟まれた機龍の苦しみが伝わってきた。「ゴ、ゴジラがさよならって言った……!さよなら! さよならゴジラ……!(泣)」メカゴジラ(機龍)はゴジラの言葉を伝える使徒だ……いや、もう、メカゴジラ(機龍)は、これを言うためだけに生まれてきたんだ!(と、恐る恐る断言してしてしまいたい気持ち。)

あとは、細かい点で「ここは!」と思った点を追記しておくと、例えばモスラやゴジラの「魅せ方」がいちいち凝っているし、地下鉄というアイテムを使ったところはとても面白かった。

……まあ、このようにだらだらと述べるまでもなく、前作で広げた大風呂敷をここまできちんとたたみあげたことに、この監督と脚本家のとてつもない才を感じたわけですが。この作品がここまで良作に仕上がってしまったことで、なんとなく来年の記念作品に不安を感じずにはいられない。。

(評価:★5)

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