新幹線の事故、トンネルを出たら一面灰の世界だった。・・・という掴みはＯＫ！

だが、妙に長すぎる最初の妻夫木の動揺場面。限りある２時間なのに最初から時間を使いすぎ。「頑張って新幹線セットを作りました。」って気持ちは解るけど、お金をかけたセットを贅沢に短時間でバサッと切り捨てる覚悟が日本映画界に無いのが、この手の特撮映画が世界メジャーになれない理由。このトンネルシーンを半分削って、東京に向かうまでに必死に水を探すシーンを挿入すべき。

それぞれのキャラクターも魅力がない。妻夫木はどの映画でも台詞棒読みだし、転けすぎ。豹変する桃鉄キングボンビー顔のノブオもあそこまでで終わりだし、何言ってるか解らないから日本語字幕が必要。いつでもサラサラヘアーのＳＡＹＡＫＡは、母親同様のウソ泣きであり、幼稚園のお遊戯並みで、全く持って無価値なキャラ。

あまりにも救いがない世界観。生き残った人間は次々死んで行くし、我らの東京から火山が飛び出すなんて、まさに地獄絵図で絶望的。鬱の固まりのストーリーに加え、役者の演技で鬱にさせられ、世界観で鬱にさせるなら、最後のエンドクレジットで晴れ間を覗かせるなんて方法で広げた風呂敷を畳むなよ。希望を抱かせるなんて中途半端なことしないでくれっ！　壊滅的なのは日本じゃなく、この映画だよ。絶望感より、つまらなさで泣きたくなるよ。