[コメント] 猫の恩返し(2002/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
どうもこの世界の成り立ちがよくわからない。ハルは母子家庭の感じがする。父親の匂いがない。高校の校門には週番と生活指導部の教員が門番で立っている。授業は漢文で、遅刻して入ってくると、先生に理解ある注意を受けたりする。これは『時を駆ける少女』の世界だな、と思っていると、街の風景が妙にウソくさい。
このウソくささが実はリアルだった。『隣のトトロ』や『平成狸合戦ぽんぽこ』で扱った関東平野多摩丘陵開拓後の風景だ。聖蹟桜ヶ丘とか南大沢って、まんまこのアニメの印象がある。町並みがウソくさい。サ○リオピューロランドがしっくりする町並である。絵柄がすごく古くさい同人誌とでも言いたい印象。それでファンタジ−をやってくれる。
猫のまんがならますむらひろしまでなら、うなずける。ここまでくると私にはようわからん。そう言えば郊外のファミリーレストランの印象もある。それなりにきれいでそれなりの食事。まずくないけど、うまくない。
妻に言わせると、原作では猫の国は猫の天国(つまり死んだ猫が行く国)でユキはハルが小さいときに飼っていた猫。ある時突然いなくなった猫なんだそうだ。それなら、話はおもしろそうだ。
ハルが小さいときに両親は離婚。ハルのただ一つの慰みは子猫のユキでした。そのユキがいなくなって悲嘆にくれるハル。高校生になってハンサム君に片思い。当然失恋するんだけど、まわりはみんな親切で不満もないが喜びもない。どこか違うんじゃないか、と感じているハル。そこでネコの死の国に行ってこちらの世界に戻ってくるハル、てな話になれば、ちっとは思春期ものらしくなるかも。そっちの方が見たかったな。
思春期に異世界を通過して大人になる、ってのは定番の設定だから破綻はない。ネコ王に別れた父親のイメージがあったりなんかすると、大霊界の丹波さんも本望だろう。作りようによってはいくらでも面白くなった感じがする。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (9 人) | [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。