[コメント] スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃(2002/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
まあ・・・20数年もつき合ってきている映画なんだし、コレは「縁起物」ですから・・・と「諦め半分モード」で見始める。
内容は・・・と言うと・・・「こんなもんで良いの・・・だろうな・・・多分」と言う状態。 文句を付けたい部分は「山のようにある」のだが、「鼻から諦めている部分」が大きいので、「今更言っても詮無いワ」という気持ちが大きい。
ルーカスに映画監督としての人間性の深さなんか求めてないし、ましてや恋愛に於ける人間の深遠な部分を見せて貰おうと思っているわけでもナシ。 この悪と善が入り乱れ、曼陀羅模様と化して一つの世界を作ってゆく、そのダイナミズムを求めているわけでナシ。 ルーカスはベルイマンでもアン・リーでもナイのだ。 だから、主人公がタダの発情したアメリカンな高校生バカップルでも、笑って許すゾ、ゴラァ!!
映画を観た後、「映像が綺麗だったね」としか言えないワシらであった。 その気持ちは映画館を出た後に徐々に重くなり、 「さっきから背中にヨーダ師が子泣き爺のようにぶら下がっているらしく、ナンダカ重いんですけど。段々疲れてきたんですけど」とダンナに訴えるワシ。 どうも鼻から諦めている映画とは言え、「言いたいことが山のようにアル」という状態が自分の気持ちに負担になっているらしい。
「カラオケに行こう」と提案して、鬱積する不満をカラオケにぶつける! 3時間歌い狂う。
アニーはジョナサン・リース・マイヤーズ希望! 恋の告白のシーンも中世の騎士物語を手本にした、「アッツイ恋の告白シーン」でお願い。 もっと言葉を尽くして、自分の思いの丈をぶつけるのが「吉」! アミダラもファッション・モデル風でキャピキャピなアメリカンガールの雰囲気は極力抑えて、「もっと大人な女性」を演じてくれ、頼む。
出来れば監督もアン・リーに外注してくれ。 物語の骨格はコレ(今のまま)で良いからさ。 もっとその「既に完結したサーガ(エピソード4・5・6)以前の物語」という枠を越えた、人間の業や運命の無慈悲さなんかを描いて欲しい。 そしてその中で力一杯に動き輝こうとする者達の物語を見せてクレよ!!
人間ドラマに「本気汁」が足りません。 ルーカスは監督業に向いていない。
に、しても。 クリストファー・リーは『ロード・オブザ・リング』と言い、すっかり「超能力役者」になっちゃったなー。 スピーダーバイクで戦場からトンズラこく姿は、「自分の正体がばれそうになり、裸足で喪服のママ、自転車に乗って現場から逃走した」某F田K子を彷彿とさせる勢いで笑ってしまった。 身軽なヨーダにも抱腹絶倒。
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とまあ、ココまで書いてアップしたのだが、その後、DVDで再度鑑賞。 映画としてのこの作品のあまりのダメダメさにビックリする。
コレはつまり、考えることを拒否し、想像する事を放棄した『脳死映画』であるとしか言いようがない。 キャラクターが何を考えているのかさっぱり理解できない。 行動がちっとも納得できない。
それは結局、脚本の至らなさ、主人公(にしては影が薄いが)のダイコンさ、「コレはこういうモノ」というお約束の上に展開される世界のお粗末さに由来しているのだろうが。
「コレの舞台はアメリカの田舎町ですか?」と思わず何度も目をこすりながら(「なんで宇宙にダイナーがあるんだ?」)家族に尋ねてしまった。
さあ、そのフィルターを外して見てご覧。 この世界はアメリカの田舎町でくすぶっている、性欲に燃えた高校生の妄想世界だよ。 ルーカスの青春も相当にヒドイものだったらしい(モテねえ、金ねえ、面白いことが何もねえ)という事が伺える怪作。 この妄想世界にどこまでつきあえるかが、評価の分かれ目か。 ルーカスというヒトが、大金持ちになって世界的な大監督の仲間入りをした今現在であっても、(いくら年を取って初老と言われる年になっても)本質が「現役田舎の高校生」ということはよく分かった映画だった(実はこの作品を見るまで、よく分かっていなかった)
それと、やはり、監督というのは「自分がよく知っている世界」を描くモノらしいな。という事も理解した。
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