[コメント] パール・ハーバー(2001/米)
映画において時代考証は重要か?確かに大事だが完璧を求める事は無理である。努力する事は必要だが、要は観客に上手く「嘘」を「嘘」でないように見せてくれれば良いのではなかろうか?『2001年宇宙の旅』や『ジュラシック・パーク』では未知の宇宙や、古代を見せてくれた。本当はどうなのか誰も知らないのに・・・
この作品も真珠湾攻撃や日本本土初爆撃などの映像を見せてくれた。正直、もの凄い迫力の映像だったと思う。皮肉を言えば、この戦闘シーンを『トラ・トラ・トラ』に挿入できるなら、どれほど素晴らしいことかと思った。
日本映画でさえ、戦国時代を題材にとった作品になると時代考証は怪しくなってくる。資料の少ないそれ以前ではデタラメに近いだろう。だいいち言葉じたいが違う。信長や家康が現代の標準語を喋るのは許せても、ハリウッド映画に出てくる外国人が皆英語を喋るのが許せないという理屈はわからない。
つまり、たかが映画である。黒澤の時代劇の「嘘」には騙されても本作品の日本描写に腹が立つというのは如何なものか?どちらの監督も予算や勉強不足という事で済ませましょう。
余談ですが、艦上戦闘機の塗色が問題になるならば、欧州戦線を扱った作品でドイツ軍の戦車で本物に近いものは皆無です。
問題は、真珠湾攻撃が未だ歴史として確定していないという事ではないでしょうか?映像上の「嘘」や「装飾」は仕方のない事だと思いますが、宣戦布告なき攻撃が本当に「奇襲」だったのか、ルーズベルトは知っていたんじゃないかという疑惑が決着していないのに、本作品ではちょっとフライングしてしまったようですね。
余談ですが、米国はベトナムでも中米でもイラクでも、もちろんアフガンでも宣戦布告はしたことありません。(知ってました?)
ですから、この問題は日中韓に存在する歴史認識問題と同様な問題を抱えているのと同じ訳です。だから、この辺りは少しぼかしといた方がよかったんじゃないでしょうか?
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