[コメント] 暗殺の森(1970/伊=仏=独)
繊細な光によるクアドリ教授(=ゴダール)殺し
暗殺される教授の「メディシス1537」はゴダールの電話番号。壮麗な映画的意匠に彩られたベルトルッチからのヌーベルバーグへの独立宣言。
夕暮れ前のカフェでのダンス・シーン(マティスを連想させる)/移ろいゆく光線の元での列車中の抱擁シーン(陸橋の影が哀愁を漂わせる)/白樺の林での暗殺シーン(何たる残酷さと美しさ)/仰角で捉えた枯葉の舞うシーン(余りにも詩的なので静脈が止まるかと思った位興奮した!)等、名場面の数々。人間の魂の揺らめきを見事に写しとっている。ファシズムが甘美に見える位。恐ろしい才能。
年代がもっと経って、ヌーベルバーグのうねりが、壁面の碑文みたいになったときには、目で見て感じるこの映画が、もっと評価されるでしょう。傑作です。
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