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[コメント] マルコヴィッチの穴(1999/米)

哲学というよりは、寓話的な肌触りだったような。でも本筋よりもオカズの方がおいしかったです、いろいろと。
くたー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







人形劇、主人公の就職した会社の怪しい人たち(中でもワケ分からない女の部長が、会話の常識の基準になっているという不条理さ)、動物に囲まれて暮らす妻、小さい女に合わせて作られたという天井の高さ(嘘らしいけど、彼女の世界の高さを疑似体験せざるを得ないというのが、とても「穴」を暗示していたような)、道路の脇に出口があるっていう妙な親切さ、サルの会話を字幕で見せるセンス、チャーリー・シーン、マルコヴィッチだらけの世界、人形師マルコヴィッチのテレビの特集(いかにもありそうな演出で笑った)、やたら扉の多い社長の家。面白かったです、ハイ。

ただ、肝心のマルコヴィッチの穴がちょっと・・・。主人公から見ると、人形を操るように実際の人間も操ってしまい、世界を手に入れたつもりが一番望むものは実際は手に入っていなかったという寓話的な味と、永遠の若さを得るというもともとの存在理由が、最後にリンクして、さらに皮肉な結果(考えてみれば、何も出来ずにじいさんばあさんと、一緒にならなきゃいけないのもオモロイ)に終わる。これだけで十分なのに、操られた側の奮闘振りまでいれて、さらには面白いけどたくさんのオカズも用意したことで、全部が未消化になってしまっている印象が否めなかった、特に3人の話になってから(マルコはただの触媒なので入れてない)。それと時々三人それぞれが、思わず首を傾げてしまうような行動をとってたような気も・・・もう一回見ると違うかもしれないから、これは保留。

哲学云々は、一見他人の内側からの視点というのが、いかにもそれらしく見えても、実際は何も導き出してないので、あえて無視しました。

(評価:★3)

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