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[コメント] ノーマ・レイ(1979/米)

スナップ写真や工場のショット群と“It Goes Like It Goes”で映画は始まる。あざとさを感じもするが、どうしても涙腺を刺激されてしまう。私にとってはそこに限らず全篇がそうだ。それはこれを「映画」に相応しいヒーローの物語として語ることに躊躇いがないからかもしれない。むろん完全無欠のヒーローではないが、だからこそ。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







終盤においてサリー・フィールドが“UNION”と書かれた札を掲げて立ち上がるショットは確かに感動的であり、観客に対しては「煽情的」でさえあると云ってもよいのだが、マーティン・リットはそこで思いきりカメラを引いてみせる。私はそこにこの作品の誠実さを見た。そう、フィールドの行為は多分に「滑稽」であるかもしれないのだ。それを自覚的に提示しながらもなおフィールドをまぎれもないヒーローとして描くこと。現代的であり、映画的であると思う。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)けにろん[*] 死ぬまでシネマ[*] ナム太郎[*]

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