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[コメント] 遊星からの物体X(1982/米)

たとえ巨額の費用と最新の技術を注ぎ込んでもCGでは、このカーペンター趣味炸裂の「生き物」の恐怖を超えることはない。クールでハードボイルドな監督独特のタッチが本来B級的である作品の格を押し上げている傑作。注:ラストに関する興醒めな話有り→
HW

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







観客に与えられる情報の匙加減が絶妙。見せておく所と見せておかない所とのバランスが完璧で、設定の良さを余す所無く活かしていると言える。

しかし、どこをどう聞いてもこの音楽、監督の自作としか思えない。クレジットなしで参加かと疑いあちこち調べたが、どうも本当に参加していないらしい。エンニオ・モリコーネは実はカーペンター音楽の熱烈なファンだったのだろうか?(笑)それとも、監督に監禁でもされたのだろうか?(笑)いぜれにせよ、今後も長く語り継がれる謎となるだろう。

「生き物」の造形はCGでは体現不可能の味がある。カーペンターファンと思われるロバート・ロドリゲスが『パラサイト』で同種の作品をCGを駆使し映像化していたが、部分部分でCGの勝る点を見せているものの、全体として本作には遠く及ばなかった。まぁ、学園ホラーの形をとっているためなど色々理由はあるだろうが・・・。どちらかと言えば、同じくカーペンターファンらしき盟友タランティーノと共に作り上げた『フロム・ダスク・ティル・ドーン』の方がその手の味わいもあって全体的にも面白かった。

ちょっと皆さんを失望させてしまいそうで、恐縮なのですが、ラストについて、監督本人は「照明の加減で息が上手く映らなかったんだよ」と明言してしまっているそうです。BRAVO300W!さんの指摘に自分も感激していただけにちょっとショックな発言です。しかし、製作者の意図しなかったミスも傑作を支える要素ですよね。想像や憶測が恐怖を無限に掻き立ててくれます。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (10 人)脚がグンバツの男 わっこ[*] りゅうじん[*] 甘崎庵[*] リア torinoshield[*] BRAVO30000W![*] クワドラAS[*] crossage[*] ジョー・チップ[*]

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