[コメント] 若い人(1962/日)
これは切ない。危なっかしい。冒頭から今にも破綻しそうな不安定さで吉永小百合が描かれるのだが、その危なっかしさがラストへ向かって加速していく演出が堪らない。その演出はある種反則ワザをまじえてまで徹底的だ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
原作を未読でさらに他の映画化作品をも未見の私は、ラストで吉永が死ぬことを前半から予感しながら見ていた。大坂志郎がスケベ医者に扮する病院での狂言妊娠を見破られる場面で、いかにも意味ありげに床に落ちたメスのアップカットを持ってこられた時点でもう吉永の死の帰結を確信してしまった、という次第。
吉永を苦しめる石原裕次郎の健康的なノンシャランさも良いし、吉永の母親を演じる三浦光子の酔っぱらい演技の崩れようは素晴らしいし、裕次郎の下宿先の親爺・殿山泰司、三浦光子の若い愛人を演じる北村和夫等々忘れがたいキャラクターがいっぱい出てくる。吉永小百合が死なないラストは呆気に取られたが、許してしまおう。名作だと思う。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (4 人) | [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。