学徒動員で、死ぬことが勝つことだと、特攻を強制され、エンジン不調で生きて帰れば、「恥さらし」と閉じ込める。

そういえば名作「ラピュタ」の中で、シータが「国が滅んで、王だけ生き残るなんてこっけいだわ」というセリフがあった。

本来、将来の社会をつくるべき若者を、どんどん死においやって、いったいどんな勝利、国家がありえたというのか。

当時の若者のほとんどがこの矛盾に直面させられ、その苦悩を、ある者は「聞け、わだつみの声」に代表される、文章の形で残し、ある者はその万感の思いを込めてピアノを弾く。

かつて現実の日本にあった、最大の悲劇を、私は忘れはしない。