[コメント] 白い恐怖(1945/米)
かなり安直さの目立つ脚本なのに、画面を見る限りでは極上なニューロティックサスペンスとしか思えない不思議。バーグマンの冷めた知と激情の鮮やかなコントラストも含めて、これはもう演出の勝利。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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安直に幼時のトラウマに飛びついたり、引きを一切無視した治療法など、バーグマンがとても優秀な分析医には見えないのだが、ここまで美しく撮られていると文句のつける気にもなりません。『汚名』と本作でのバーグマンは、官能的なまでに美しい。
そもそも死体も発見されてないうちから、何で巷が大騒ぎになっているのかが不可解極まりないのだけど、そんなほころびだらけの展開の傍らで、わざと裏読みさせることを狙っているかのような、意地の悪いユーモアが見え隠れしているのが面白い。
(2006/12/30 再見)
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