[コメント] 愛の嵐(1973/伊)
愛情のために死ぬのも、イデオロギーのために死ぬのもそうは変わらない。言ってみればどちらも犬死にだ。だがこの頃、美しさの頂点を極めていたランプリング、彼女とともになら犬死にを選んでもいいという衝動に駆られる。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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本当にこの頃のランプリングは美しい。ナチの軍帽とセミヌードで物憂げに歌い踊るシーン。隠棲するアパートメントで壊れた瓶詰めのジャムを貪り食らうシーン。どれもが乾いた独特なインモラルの香りを放ってやまない。
エロスそのものがドレスを纏っているのがランプリングだ。それは抱きしめたいと願う愛らしさなどではない。劇場のスクリーン越しにストーカーまがいに垣間見ることの許しを乞いたくなる、なにか魔性のものの変容した「おんな」そのものだ。
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