[コメント] 南部の人(1945/米)
若い頃にはこうした映画をどんどん観るべきなのだ。☆3.9点。
幼い子供達を観ていると意地悪や助け舟や、徒党や告げ口や村八分や一致団結や、正しい事、間違った事に日々ぶつかっている姿を見て取れる。「それダメだよ」「それいけないよ」「大丈夫?」「ごめんね」
この映画はもうちょっと年が上の子でないと理解し切れないだろうが、一番観て欲しい世代が今何をしているかというと、対戦ゲームである。ロリ少女戦士もののやヒーロー戦隊を卒業したら、この映画程度の作品には触れて欲しいと思うが、現在は存在しない。
こんな方向に思ってしまうのは、やはり現代の視点からは内容が大甘だからだが、当時の観客を考えてみると、彼ら自身が厳しい世界の中に生きていたのだ。自然の脅威や人間社会の世知辛さの中で、正しく生きたい、正しく幸せを掴みたい、と人々は切望していた。挫けない夫、その危機にこそ支える妻。教会の説教のように、こうした映画は人々の心を潤していったのではないだろうか。
菅井きんや 赤木春恵が「わたし本当はこんな意地悪じゃないのよ」と悩みながら演じてきた意地悪婆さんだが、この映画では映画の中で「わたし本当はこんな意地悪じゃないのよ」と、意地悪と優しいの間を揺れ動いているお婆さんが可愛らしかった。(ワシ、とうとうBABAコンの年齢に!?)
一番漫画チックでありながら、現代の視点からは一番リアルに見えたのは、あの小間使いの性悪男。いるいる、あちらこちらに!
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