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[コメント] いとこ同志(1959/仏)

初期ヌーベルバーグの映画の中では、最も老成しているんじゃないか。「老成」なんて嫌らしい言葉を使ったが、決して悪い意味ではありません。とても監督2作目とは思えない出来過ぎの完成度。しかし同時に瑞々しい画面も沢山あり、私は大好きです。
ゑぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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特に、ジェラール・ブランジュリエット・メニエルがパーティの喧噪から抜け出した夜の舗道のシーン。二人の感情の昂ぶりに合わせてなんと繊細なカメラワークとカッティングを見せることか!いやぁ、このシーンだけでなく全てのカットに亘ってアンリ・ドカエのカメラワークは吃驚するくらい計算されている。夜間シーンの光の美しさも溜息もの。しかし、ブランが主人公ではあるのだが、この映画はジャン・クロード・ブリアリの映画ですね。彼の存在感は圧倒的だ。彼の演技の大きさに少々鼻白む映画も多いのだが、ここでは繊細なブランと好対照なカリスマ性を発揮してラストに至るまで違和感を覚えない。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (5 人)赤い戦車[*] ジェリー[*] shiono 町田[*] セント[*]

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