巨大隊員のモチーフの活かし方、逆に長澤まさみがキングコングのフェイ・レイ状態になるのも楽しい。ゼットンの換骨奪胎なんかも悪くない。

机の角だったり、椅子の肘掛けだったり、調度品越しに人の顔を見て捉えるアングルはユニークで、丁度よい具合に鼻につく。

一方で、『シン・ゴジラ』の印象を持ってみると、物量感が圧倒的に物足りない。見せ場の数も、登場する禍威獣の数も、逃げ惑うモブのボリュームも、そして禍特対のメンバーの人数も、何もかもが少ない。政治家と役人はやたらとゾロゾロ出てくるが、キャラが立っていないので無駄に費消。

なぜ日本にだけ現れるのか、という論点でもう一芝居設けてくれれば面白かったのに。