[コメント] グリーンブック(2018/米)
後味よし。これも一つのクリスマス映画。アメリカのクリスマス映画はやはり最強。
一方で、どうにもお行儀よくまとまり過ぎている。兄弟で映画を撮っていた頃の毒は何処にいってしまったのか。
悪いのは社会であって、人間は悪くない、というスタンスが引っ掛かる。劇中のヴィゴ・モーテンセンのセリフで「複雑だってことは分かっている」みたいなのがあったと思うが、その複雑性に踏み込めていない。たとえば、黒人の使ったグラスをゴミ箱に捨ててしまうほどの偏見の持ち主だったモーテンセンがマハーシャラ・アリの下で働くことの葛藤、或いは、それまで黒人専用のホテルに泊まることを受け容れてきたアリが最終公演の会場で強硬な姿勢を取ることになった経緯、そのあたりの複雑な心理を描くことが放棄されてしまっている。
モーテンセンもアリも好演で、キャスティングは素晴らしい。
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