[コメント] サスペリア(2019/伊=米)
無内容ホラーのバックボーンを補強してルカ・グァダニーノ監督が底力を見せつける、との世評に浮足立って行ったのだが、現代ドイツと中世欧州史のマニアに混乱を押しつけてみせる不親切作品だった。
**ネタバレ注意**
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たぶん監督は、清潔きわまるカトリックとナチスの殺菌攻撃に晒され、そして滅ぼされていった無辜の庶民を率いる「魔女」たちの復権を描きたかったのだろう。ヒロインは舞踏団のリーダーの座を受け継ぐことで、純粋な知識家集団でもあり反政府テロ集団である人々を率いて今後も戦いの先頭に立つのだろう。
これはただの推測であり、画面を眺めながら退屈のなかデッチアップした粗筋に過ぎないのだが、あるいは当たっているのかも知れないからコメント前部には出さなかった。どっちにせよ、これは欠片もホラー要素を保っていないグロテスク啓蒙映画なので隠す必要もなかったのだが。どうあれ、これを観て感涙にむせんだというタランティーノの気持ちには、大多数の日本人は至ることもないだろう。
まあ、バレエ団を舞台とした旧作はいかにもアナクロだし、ピナ・バウシュみたいな現代的群舞にすり替えたのはいいイメージだったので2点は献上する。
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