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[コメント] 空飛ぶタイヤ(2018/日)

思いのほか、熱い血潮の通った映画だった。駆け足気味の展開になるため、ややご都合的なところがあるが、そういうことを感じさせない熱意と迫力を魅せた長瀬智也は好演している。
シーチキン

劇中、ディーン・フジオカが死亡者1人を情報として知っていたが、自分の事として想像していなかったみたいな台詞を言うが、その台詞に説得力を感じさせる映画になっていると思う。

全体としては大企業を舞台にしたドラマとして小洒落たお店がえらい出てきたりして、そういう雰囲気を盛り上げる演出は上手く、往年の社会派娯楽作を思い起こさせるのは健闘と言ってよい。そしてその雰囲気に欠かせない悪役としての存在を出した岸部一徳はいまや日本の映画界にとっては貴重な人材なのかも知れんなあ。

キャッチコピーの一つに「大逆転エンターテイメント」というのがあり、それだけのものではないと思うが、そういう面でも満足できる映画だと思う。

あと深田恭子の人妻役は、あまりに美しすぎて現実離れな気がするほどだった。あんな妻がいるだけでもう十分、幸せじゃんとか思っちゃって。

なおこの物語は、2002年1月に横浜で起きた、三菱自動車製の大型トレーラーが走行中にタイヤが外れ、それがたまたま歩行中だった母子づれを直撃し母親が死亡、その後、同社によるリコール隠しが発覚したという実際の事件が題材となっている。その事を思って見ると、本作の味わいはまた一段と深くなるのではないか。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)けにろん[*] 死ぬまでシネマ[*]

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