[コメント] ラ・ラ・ランド(2016/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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自分的に少し違和感があったのが、ミアが「夢を追うこと」に対して必要以上にかたくなで融通が利かなかったこと。彼女は人気バンドのメンバーに不本意ながら身を投じたセブを責めた。そこがとても不思議だった。
たとえば「デトロイト・メタル・シティ」ではスイートでハニーディップなポップソングでスターになることを夢見る根岸君が、どういうわけだかデスメタルの帝王として君臨してしまう不条理を描きながら、見るものは誰かを幸せにしている心優しき根岸君を愛するわけだ。「大人」になって夢をあきらめるとかそういうことではなくて、なんとなく流されて生きることも往々にしてあると思うし、それを断罪する権利など例え恋人であってもないと思うわけ。だから、あのシーンだけがとても違和感があった。ただ、あそこが無ければこの映画のストーリーは展開しないんだけど...
思うにセブの胸中を占めていたものの内、夢よりもミアの方が大きかったのだ。ミアを喜ばせたい、ミアのためにしっかりしたい、将来の夢のために今は不本意なことでも自分ごまかしてもいいからやっていきたい。それがきっと二人にとっていいことだから...
でもミアは少しちがっていたんだろう。セブを愛しながらも女優への道が一番大事な夢だった。
結局オーディションの話をミアに届け、フランスへの背中を押して、そして身を引いたのはセブ自信。夢が叶って自分の店を持ったときにセブが飾ったサインもミアのデザインしたものだった。
ミアとセブ、どっちの気持ちが強かったのかな。きっと少しだけセブの方がミアのために自分を犠牲にした。でもラスト20分の二人の思いを見た後ではそんなことどうでも良いよね。じゃあね、良かったね、互いの事を思うそんな二人のまなざしで気持ちがすっとなるような、素晴らしい終わり方だったと思う。苦いけど、人生は甘くも苦いものだから。
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