[コメント] トランボ ハリウッドに最も嫌われた男(2015/米)
今(2016年)だからこそ日本人にも見てほしい。気に入らない対象は徹底的に排除することがタダシイような風潮に疑問を投げかける作品だからだ。家族を思い、仲間を思い、「思想」ではなく「生き方」を貫いたトランボは、映画の裏方として輝くべき存在だ。そして、善き生き方を貫く人の作品は、素晴らしいのだ。
オープニングのジャズからして、ストーリーが粋に進むことを提示する。華やかなハリウッドと浮足立つ脚本家の暮らしを見せながら、政治的背景の雲行きが怪しくなる様、世間がお隣に同調し裏切っていく様と並行して、家族と仲間の結束を描く。
小さいニッキが「パパは共産主義者なの?」とトランボに問うシーンがとても良い。その娘は父トランボを尊敬し、しっかりと父の教えを引き受けたのだ。
大きな仕掛けがあるわけでも、大事件があるわけでもないこの作品に観客を惹きつけるのは、その根底にある人の生き方に力があるからだ。
差別や形骸化することを改めて考えたい。
ダイアン・レインはいつもキレイだけれど、もうちょっと老けてもいいんじゃないでしょうか。
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