[コメント] 母と暮せば(2015/日)
爆心下の有様を定常的に観測することで無批評性という洗練の極限に達した精神が、最後には正視に耐えられない悪趣味なまでに絢爛とした画面を構成してしまう。さまざまな文法がただ混濁するだけではなく性質の振れ幅も巨大で戸惑うのである。
吉永小百合の聖化が彼女の尽力を実感させないため、キャラクターの能天気な感情と最後の悪趣味としか言いようがない凄まじい情緒がかみ合わず、何が発起したのか理解できなかった。『男はつらいよ』の冒頭夢が全編に侵食したかのような気味の悪さがただ残った。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (2 人) | [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。