[コメント] サラエボの花(2006/オーストリア=ボスニア・ヘルツェゴビナ=独=クロアチア)
あの静かな美しい国・ボスニアがセルビアとの内乱で20万人もの人が殺されたという戦後のヨーロッパでは最大の悲劇を女性の視点から優しいまなざしで描いた愛の映画だ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
登場人物が美貌でもなく、普遍的な親しみのある俳優を起用したのがリアルでいい。娘も思春期の難しい年齢に達しており、父親の愛に飢えている切なさを好演。主人公の恋人も父親を亡くしている喪失感を持っており、この辺りの描き方はボスニアの現状を良く表している。
しかし、演出に鋭いところはなく、優しいまなざしを意識しているのかむしろ平板に思える。ストーリーに負っているのである。
主人公の出産の秘密が語られるシーンがこの映画の最大の見せ場であるが、この映画はこの部分に負いすぎていると思う。それでも尚彼女たちは明日に向かって生きてゆくといった希望めいたラストもいいが、何かふんわりし過ぎかな、、。
映画的にはもっと映像でボスニアの悲劇を訴えるべきではなかったかと思われる。 すべて女性の視点から描かれているので、われわれ男性からは気づかない何かがあったのかもしれないが、、。
問題提起は優れているだけに惜しいと思う。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (2 人) | [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。