[コメント] カポーティ(2006/米=カナダ)
地味な作品なのに、ここまで激しく心を揺さぶられたのは何故だろう。淡々と静かなようで、燃えさかる激しい炎を内に秘めたような映画。どこがどう良いのかなんてとても説明出来ないが、このシーンに自分の心がシンクロしたことが、全てを物語っているのだと思う。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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本当に取るに足らないような、些細なシーンなのだが。
後半、ペリーの行く末について悩んで疲れたカポーティは、離乳食の瓶に酒を入れてぐちゃぐちゃと混ぜていた。
これを見た時、何故だか判らないが「もうこの映画には絶対に敵わない!」と衝撃を受けた。これほどまでに彼のこの時の彼の気持ちを的確に表現する演出方法があるだろうか。そのセンスに完全にやられた。そしてこの映画は、全編に於いてこのセンスの塊なのだ。私の心は揺さぶられるどころか、心臓をえぐり出されて目の前で「ほら、これがお前の心臓だろ」と突きつけられるような思いだった。
そして自分自身が、このシーン、この映画を見て素晴らしいと感じたことや、台詞のひとつひとつも重く心に染み渡ることが嬉しいと思えてしまう、そんな、本当に凄い映画だった。
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