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[コメント] リオの男(1963/仏)

お宝探しの鮮やかで残酷な結末に、後世の『脱出』(1972)や『アポカリプト』(2006)を連想。命を張ったスタントによる活劇をおフランスの諧謔にすることで、古典的冒険譚の終わりを告げている。
ペンクロフ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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前半の生き生きとした活劇はホントに楽しい。誘拐された婚約者をどこまでも追っかけ、リオ行きの飛行機に乗り込んでしまう。靴磨きの少年、少年の奇妙な家、ヒロインと少年のダンスなど素晴らしい。旅先でだけ人間に訪れる、人生の中で二度と繰り返すことのない、かけがえのない美しい時間だ。

ブラジリアの実業家おじさんが荒野にでっちあげた「街」が後半の舞台となるが、まるで旧ソ連や北朝鮮などの社会主義国家にあるような、寒々しくウソくさい街にしか見えない。セットではなく、本当にこういう非現実的な街でロケしている。この街をコミカルなベルモンドが駆けずり回るとジャック・タチの映画のようにも見え、何やらえも言われぬ不安を煽られる。

さらわれたヒロインを追い、ついに夜の船上で窓ガラス越しの対面。この場面を宮崎駿は『未来少年コナン』でまんま再現している。ベルモンドが後世に与えた影響の大きさは計り知れない。ルパンやコナン、コブラにジャッキー。ベルモンドはこの世に「カッコいい」の原型を残したのだ。

(評価:★4)

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