私はどうやらこの手の内容にめちゃくちゃ弱いらしい。

この手とは、何だ？　たぶん、魚喃キリコの『blue』やジョージ朝倉の 「ハッピーエンド」にも描かれている女の子たちの好きと嫉妬がぐちゃぐちゃに なった世界なのかもしれない。

映画を見ている間、ずーっと高校時代の親友・Kを思い出し、 そうなると涙が止まらなくなってしまった。もうこうなると、 パブロフの犬状態なんだな、と思う。この先、女の子どうしの恋愛に似た感情の 物語に触れるとかつての親友・Kに繋がり、毎回悲しくなるのだろう。

Kとは高校２年生の時のクラスメートだった。１年の時の友達が部活が一緒だったので、 ２年の１学期から仲良くなれた。Kの父親はT大・法学部を卒業してて、某銀行の 重役で、K自身もショート・カットの一重なんだけど大きな目をした、めちゃくちゃ 可愛い人だった。一緒に買い物に行く時も、色違いの洋服を買って、私の方が雰囲気を 似せよう似せようとしてた気がする。もちろんKの方がスタイルも良く、 可愛かったけど……。（私って、やっぱりスノッブなのかな？　まぁ、おっとりして る子の方が、ラクなつきあいができるのは確か。私に対し、最初からライバル心とかむき出しにしてくる人は、もう逃げたくなる）

たぶんKに憧れてたんだと思う。彼女は努力をしなくても、最初から何でも手に 入れていた。高校生の時は、嫉妬は潜在的なものだった。でも大学生の頃に なると、器用貧乏な人だな、と思いはじめたから、嫉妬は顕在化してたのかも しれないし、期待し過ぎていたのかもしれない。もっと向上心を持って努力すれば、 Kだったら、○○になれるのにって、気持ちが強かったのだ。彼女だったら、 モデルやデザイナーになることも可能だと信じていた。

それでも、まだ、あの時は彼女を好きだった。私の誕生日に、私が彼氏と 約束があったのに、Kは彼氏と別れたばかりで、一人は淋しいというから、 私と私の彼氏とKで遊んだりしたよ。ってくらい、大事にしてきたと思って いたのに……。

「あなたは、私のことをバカにしてるし見下している」

と言われたのは、４年前か？

ガピョーン！！！　

なんで、私がKをバカにするの？　そりゃ、大学生になってから、色んな人と つきあって、色んな世界知って、知的好奇心満たすために、本読んだし映画を見たさ。 社会人になっても、落ち着くどころか、まだこの年になっても飲み会で騒いでる 私ってバカ？　とか思うモン。それに確かに、Kよりも交友関係広いよ。だって永遠に 面白い奴って言われたいんだモン。

きっとKも、自分からどんどん離れ、色んな人とワイワイ賑やかに遊んで、 マニアックな内容を得意気に喋る私に嫉妬していたと気づいたのは、 ずっと後のことなのでした。

It is no use crying over spilt milk.

昔、私は、よく女友達に魚喃キリコの「blue」を貸してたんですが、やっぱり、 みんな親友との精神的別れみたいな状況があり、切なくなったと言われました。 たぶん同性愛じゃないんだけど、ずっと一緒にいるから、好きになっちゃうんだろうな。たぶん、こういう感情って、不思議なことじゃなくて、一度は経験するモンなんじゃないのかなぁ……。