[コメント] ジョゼと虎と魚たち(2003/日)
「目的地まであと140km」
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
この映画を見たのはもう20年くらい前か。正直な素敵な映画だと思った。ジョゼのその後を気にする気持ちがしばらく自分の中に残っていたことを思い出した。
山口県秋穂町。大阪を出て実家の福岡まであと140km。
「兄ちゃん、ひるんだと?」
そう、ひるんだのだ。障害者と生きていくという事が分かってきたのだ。そこに実家と言うリアルが迫ってきたのだ。好きなだけでは進めない。残り140kmという現実にひるんだのだ。
でも察して幕を引いたのはジョゼ。カーナビを消して「海へ行け」と言ったのはジョゼだ。 それは障害者であるとともに女性であるジョゼの強さだと私は思った。本当に優しい2人だ。
好きな人と2人だけで暮らせていけたらどんなに幸せだろうか。でも現実にはそこには親があり世間があり日々の暮らしがある。また人の気持ちは常にうつろいで揺らぎが出る。
この映画はそれに加えて障害者と暮らすという多くの人が分からない足枷と絆があり、恒夫は自らそこに入って離れていったのだ。
だから私は最後に恒夫がガードレールにもたれて号泣しているシーンに猛烈に感動する。
改めて良い映画だと思った。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (3 人) | [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。