[コメント] ガートルード(1964/デンマーク)
ドライヤーの遺作に相応しい傑作。殆ど登場人物が視線を交錯させないことで有名な映画なのだが、実は視線を交わさないエキセントリックさ以上に、二人の人物が向き合うショット、リバースショット(切り返し)が素晴らしい。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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例えば冒頭、夫と視線を全く合わさないガートルードが「話がある」と言い出した直後、もうお手本のような緊張感のあるミディアムの切り返しで視線を交錯させる(ように見せる)。そして今度は逆に夫がガートルードと全く視線を合わさなくなる。この途中で挟まれる切り返しのタイミングにはぶったまげてしまった。
また、帰郷したガートルードのかつての愛人(詩人)を迎えるパーティのシーンで、夫、現在の愛人(ピアニスト)を含めた4人に人物の出入りの演出も実にスリリング。このような演出の呼吸を楽しむ映画であり、ストーリを追うことしかしない観客には退屈な不倫劇以上のものではないだろう。
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