[POV: a Point of View]
双葉十三郎が選ぶ日本映画監督50人キネマ旬報2002年6月下旬号より
淀川長治氏亡き今、日本映画史を草創期から語れる唯一の人双葉十三郎。そんな双葉氏が選んだ20世紀日本映画監督50人。キネ旬のシリーズ企画(聞き手・構成/桂千穂氏 協力/植草信和氏)を基にPOVを作らせて頂きました。≪A:草創期 B:戦前黄金期 C:戦後黄金期1 D:戦後黄金期2 E:70年代以降〜現在≫ なお、その監督の作品が複数作登録されている場合は、代表作と思う作品を1本勝手に選びました。
A | 路上の霊魂(1921/日) | 村田実(1894〜1937) 日活草創期の監督。意外とモダンな演出感覚。中野英治とのコンビが代表作。 | ||
A | 細雪(1950/日) | 阿部豊(1895〜1977) アメリカ帰りのモダンな日活監督 岡田時彦とのコンビが有名 | [comment] | |
A | 維新の曲(1942/日) | 牛原虚彦(1897〜1985) 松竹専属 明るい映画が売りで、鈴木伝明とコンビを組む。 | ||
A | 地獄門(1953/日) | 衣笠貞之助(1896〜1982) 監督として最も長寿(1920〜1966)な偉い人。 | ||
B | 飢餓海峡(1965/日) | 内田吐夢(1898〜1970) 馬力&重量感ある映画を撮り続け、その力が最後まで落ちなかった珍しい人。 | [comment] | |
B | 丹下左膳餘話 百萬両の壷(1935/日) | 山中貞雄(1909〜1938) その新鮮さ&切れ味にとにかく驚いた人。 | ||
B | 鴛鴦歌合戦(1939/日) | マキノ雅弘(1908〜1993) 牧野省三の御曹司。切れ味バツグン。役者への振り付けが巧かった。 | [comment] | |
B | 沓掛時次郎(1929/日) | 辻吉郎(1892〜1946) 当時の反体制機運の波に巧く乗って、切れのいい時代劇を作っていた人。 | [comment] | |
B | 雄呂血(1925/日) | 二川文太郎(1899〜1966) 昭和初期の映画界を牽引きしたマキノ派出身の一人 | [comment] | |
B | 赤西蠣太(1936/日) | 伊丹万作(1900〜1946) 千恵蔵プロ出身 才気縦横な話術の妙。とぼけた味。 | [comment] | |
B | 無法松の一生(1943/日) | 稲垣浩(1905〜1980) 千恵蔵プロ出身 時代劇監督としては珍しい叙情性。 | ||
B | 浪華悲歌(1936/日) | 溝口健二(1898〜1981) 言わずと知れた大巨匠。わりと女性を意地悪くねちっこく描く。 | ||
B | 王将(1948/日) | 伊藤大輔(1898〜1981) 特にサイレント時代の作品は話術の巧さ、切れ味ともトップクラス。 | ||
B | 東京物語(1953/日) | 小津安二郎(1903〜1962) ご存知、日本的日本映画の代表 | ||
B | 五人の斥候兵(1938/日) | 田坂具隆(1902〜1974) 真面目な題材を、ただひたすら地道に作り続けた人。 | ||
B | 暁の合唱(1941/日) | 清水宏(1903〜1966) 風景としての子供の扱いの巧さ。とにかく誰も真似できない風景の巧さ。 | ||
B | 煙突の見える場所(1953/日) | 五所平之助(1902〜1981) 甘くて、実に叙情的な作り方が身上。逆にヒャッとしたニヒルな処もあり。 | ||
B | 浅草の灯(1937/日) | 島津保次郎(1897〜1945) 松竹オールスター超大作の顔。人間群像劇の名手。多くの映画人を育てた。 | ||
C | 夜の河(1956/日) | 吉村公三郎(1911〜2000) 通称ハムさん。松竹の監督の中では、屈指の話術の巧い人。 | ||
C | 隠し砦の三悪人(1958/日) | 黒澤明(1910〜1998) 山中貞雄以来の衝撃。世界の黒澤になる、とは思わなかったらしいが。 |
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