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ウルリヒ・ザイドゥルの映画ファンのコメント

インポート、エクスポート(2007/オーストリア=仏=独) パラダイス:希望(2013/オーストリア=仏=独) パラダイス:神(2012/オーストリア=独=仏) サファリ(2016/オーストリア) ドッグ・デイズ(2001/オーストリア) パラダイス:愛(2012/オーストリア=独=仏)が好きな人ファンを表示する

ぽんしゅうのコメント************

★4インポート、エクスポート(2007/オーストリア=仏=独)ここに描かれる欧州には「若さ」というものが一切感じられない。多様な民族と文化を有し、幾度も国境を引き直しながら時を重ね、同一経済圏を目指しつつ矛盾を抱え込んだ地で帰属を失った者たち。境界は希薄化すれど、いまだ交わることのない老大陸の若者の寂寥。[投票]
★3パラダイス:希望(2013/オーストリア=仏=独)3部作を通して感じるのは、ヒロインにウルリヒ・ザイドゥルが哀れみではなく慈しみを持っていることだ。それは、この肥満少女(メラニー・レンツ)が、酔いつぶれたときに漂わせる「可憐さ」に特に良く現れている。この慈愛こそが「孤独女」3連作の救い。[投票]
★4パラダイス:神(2012/オーストリア=独=仏)「禁欲」を貫くことで自らの「欲求」を充足させるという矛盾。神にしか心開かぬ者が、自分が「人」であることを忘れ異人種にコミュニケートしようとする滑稽。ここまで女を頑なにさせた「世間」への嫌悪は、自らの欲望に対する不誠実さに起因しているに違いない。 [投票]
★4サファリ(2016/オーストリア)殺傷に浮かれ嬉々として饒舌な白人ハンターと、黙して加担するガイドや獲物をむさぼり喰う解体役の現地民。カメラは被写体と一定の距離を保ちながら、醒めた目で冷ややかに彼らを捉え続ける。その意地の悪い視線は、偏見ぎりぎりの確信犯として人間の矛盾を嘲笑う。 [review][投票]
★5パラダイス:愛(2012/オーストリア=独=仏)「カタチとしての愛」という幻想を、無自覚な階級意識の果てに見出そうとする中年白人女の滑稽な焦り。その差別意識を逆手にとって「実利としての金」を得る黒人たちの卑屈なしたたか。そんな交歓が必然として生む孤独と寂寥に「欧州」が抱えた罪と罰が透ける。[投票(1)]