★4 | あるじ(1925/デンマーク) | カール・テオドール・ドライヤーの純粋な家庭劇。亭主関白で、かなりひねくれてもいる暴君お父さんビクトールと健気な奥さんイダ。子供は三人。心優しい娘カールと、下に小学生の弟と幼児の妹がいる。 [review] | [投票] |
★5 | 奇跡(1955/デンマーク) | まさに驚くべき奇跡的な映画。悠々たるカットで時間を定着することは比較的たやすいが、ヨハネスを皆で探す場面の短いカットのワイプ等でも驚くべき映画的瞬間の定着に成功している。世界映画史上の真のベストワンはこの作品かも知れない。 | [投票(7)] |
★3 | ミカエル(1924/米) | 主人公の画家ゾレ、ベンヤミン・クリステンセンの邸内を中心に、ほとんど屋内を舞台とする。サイレントらしい天井の高いスタジオセットを、ロングショットで見せる。その分、美術装置には金がかゝっている。沢山の絵画や彫刻。大きな、人間の頭部の彫像が目立つ。 [review] | [投票] |
★4 | ガートルード(1964/デンマーク) | ドライヤーの遺作に相応しい傑作。殆ど登場人物が視線を交錯させないことで有名な映画なのだが、実は視線を交わさないエキセントリックさ以上に、二人の人物が向き合うショット、リバースショット(切り返し)が素晴らしい。 [review] | [投票(3)] |
★4 | 吸血鬼(1932/独=仏) | この映画はまず冒頭からなんとも禍々しい雰囲気で観客を圧倒する。影を使った見事な演出や有名な棺桶の主観ショットなど、個々のシーンの映像としては実に面白くラストまで見ることができるのだが、少々つなぎが悪くて混乱を覚える。この監督の中では明らかに完成度が低い。 | [投票(3)] |
★3 | 裁かるるジャンヌ(1928/仏) | 概してクローズアップは映画的でないと云えるが、本作の恐ろしく強烈なフレーミングにはタジタジとなってしまう。まるで、オフスクリーン(フレーム外)の世界を完全否定するようなクローズアップ。ただ、私は引きのショットが好きだ。だから同じ強度でも、後半のモブシーンの強さに魅かれる。 | [投票(1)] |