★4 | マノエル・ド・オリヴェイラ処女長篇の第一カットは「列車」だ。子供映画の傑作としての魅力はいまだ清新で芳しい。一方で夜の泥棒ごっこシーンは子供映画にはあるまじき(似つかわしくない)ほどの格好よさだ。その光と影はそこいらのフィルム・ノワールでは太刀打ちできない審美的心理表現の粋である。 [review] (3819695) | [投票(1)] |
★3 | イタリアのネオ・レアリスモ作品の先駆的作品と評される本作だが、それらにある残酷でも優しくもある現実の直視はこの作品にはない。おのれの犯罪と偶然の事故とに翻弄される少年に、重い現実が突きつけられるその次に用意されたエンディングは、現実からかけ離れた甘いお伽話だ。子供だましか、と深い嘆息を洩らすよりなかった。 (水那岐) | [投票] |
★4 | 川面の揺らめきはルノワール、楽団の演奏はフォードを思わせ、イマジナリー・ラインを平然と越えたり、水に飛び込んだり屋根を伝う(下を見下ろす少年のミタメショットが挿入されるのだが、犬が建物の影に入っていく。この犬がいるのといないのとでは高所感が大違い)など活劇的興奮も存分に味わえ、ウェルズかと見紛うような影の伸びた夜間シーンまである。既にして傑作であり、子供たちの瑞々しい演技も見物。 (赤い戦車) | [投票(1)] |