徳川夢声の映画ファンのコメント
ぽんしゅうのコメント |
雪之丞変化(1963/日) | まさに大衆娯楽にして前衛。長谷川、若尾の艶、中村、柳の醜、山本の不協美という芸を、キャメラ、音楽、美術といった技で揺さぶり、暗闇でしっぽり包み込む。60年代初頭、市川崑はシネスコの使いこなしにおいて、間違いなく世界の最先端にあった監督の一人だ。 [review] | [投票(3)] | |
幽霊暁に死す(1948/日) | 小国英雄脚本の主題は不正を許さない“勇気”についての啓蒙。そこにサスペンス、ホラー、ファンタジー、コメディでこってり味付けし、ピアノ演奏に轟夕起子の宝塚仕込みの歌唱まで盛り込むマキノ正博らしい“ごった煮サービス精神”で腹いっぱい。 [review] | [投票(1)] | |
女性に関する十二章(1954/日) | 『私は二歳』に先立ち、こんな粋な原作エッセイの脚色があったとは和田夏十の偉才ぶりに感服。ミナ子(津島)と小平太(小泉)の、計算づくのようで計画になっていない自分中心の恋愛、結婚、人生感への徹底した皮肉は、今の結婚しない三十路男女にも充分通じる。 | [投票] |