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[コメント] バンク・ジョブ(2008/英)

登場人物が複雑多岐にわたるから、「ヒゲ」とか「メガネ」とか「ブラック」とか「若山富三郎」とか分かり易く分類した方がいいと思う。あ、なってる。
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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実話というより、事実(結果として明るみになった事件)から「過程」を想像(創造)したストーリーというのが正確なところのような気がする。 つーか、真実に基づいたストーリーをウリにする必要ないよね。 「もしかすると事実かもよ(ニヤリ)」ってくらいの方が面白かったかもしれない。

その辺がさあ、『スピーシーズ』でおなじみロジャー・ドナルドソンの妙な生真面目さというか、遊び心のなさというか、なんというか。 たしかに圧倒的に話が面白いんだけどさ。 複雑な登場人物も上手に整理されてるし、構成も分かり易いし。 その一方で、話の面白さ以上の物はない気もする。

例えば、ジェイソン・ステイサム演じる「ヒゲ」が終始かっこよすぎる。 007だってルパンだって女に滅法弱い、という弱点がある。 『椿三十郎』だって奥方がのんびりしゃべると「まいったなあ」という顔で頭を掻く。 要するに、弱点がある方がヒーローは魅力的なんですな。

実際、劇中「なんと全員素人!」という台詞があるにも関わらず、主人公が“チンケな小悪党”に見えない。ベテラン大物悪党みたいに安心して見ていられるかっこよさ。 だって、この話の胆は「小悪党が大事件を起こした」という点に加え「それがさらに大スキャンダルに絡んでた」という所なわけでしょう。 バカキャラにしろとは言わないけど、もう少し身近な人間味があった方がよかったと思う。 一方、悪役は完璧であるべきなんだ。その点「メガネ」はよかったと思う。

もっとも、「ヒゲ」とか「メガネ」とか、そんなあだ名は劇中どこにも出て来ないんだけどね。刑事が若山富三郎に似てるとか、全然関係ない。

(09.05.22 飯田橋ギンレイにて鑑賞)

(評価:★4)

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