[コメント] ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男(2019/米)
農場と化学企業、ブルーカラーとホワイトカラー、疑惑と隠蔽、命と金。これらの対比がバランスよく描かれ緊張感が持続する。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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実話を基にしている場合は、「こんな悪を暴きました」ということよりも、登場人物の丁寧な描写がものをいう。その視点でも役者たちの演技、ラファロ、ロビンスはもちろん、とりわけ農場主ビル・キャンプが良い。
また、長年に渡る訴訟による弁護士事務所内での立場、家庭内での経済的困難、プレッシャーによる健康問題など、巨大企業相手の仕事に対する代償の描写も上手い。
トッド・ヘインズはキーワードをさりげなくシーンに映しこみ、観客にヒントを与えるのが上手い。パーティなどではシャープな色調を、農場では荒れた土地を切り取り見るものを引き込む。
ラファロはSNSでも積極的に政治的発言をしているだけあり、実直な役柄にも説得力があった。
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