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[コメント] ロング・グッドバイ(1973/米)

小ネタの物量で勝負したアルトマンらしい作品で話はなきが如し。登場人物の名前だけで物語が転がされ、その気で観ないと置いてきぼりを喰らうので注意。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ブルジョア潜入はハードボイルドの常套手段で、書けなくなった作家はヘミングウエイが容易に連想される。彼が深夜の海に飛び込む件はライティングが嘘くさくていけない(神代『けものみち』の見事さと比較されたい)。金の亡者になり妻を殺した友人を射殺するラストに情感はこもらない。なぜってシルビアというこの妻が一度も画面に登場しないからだ。これは意図的なんだろう。必要以上に情感が漂うのを嫌うのだ。しかし本作では、それがいい方に転がってはいないんじゃないだろうかと感じる。

好きな小ネタはギャングの見張りに行き先教える件。一方、グラスでの顔面かち割だけ激しく陰惨で、このギャングの後半の裸合戦との落差が大きい。再見。特異なアパートの構造と女ヒッピーたちのヌードだけ覚えていた。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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