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[コメント] 透明人間(1933/米)

ただ観ているだけで愉しいのだが、この愉しさは意味の発見と主題との擦り合わせが意識されるもので、ノンセンスとは別物なのが興味深い。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







本作の呼ぶ郷愁は幼年時代のジュブナイル小説の挿絵の再現にあるだろう。最大4つの合成があるらしい。だから本作はノンセンスに似ているがノンセンスではない。本作には、どこまで人は意味に塗れているかを試されるような処がある。

包帯を解く有名な件はじめ、無人で走る自転車、中空で点される煙草、インキ壺飛ばす悪戯、雪上の足跡。俳優たちは巧みな一人芝居を繰り広げる。

透明人間は躁状態にあり、劇薬の副作用と説明される。確かに彼が理性的なら世界征服は確実だろう。透明人間の軍隊など無敵に違いない。元に戻る復元薬を開発せずに透明になっちゃうのも一貫した行動だ。これらの出鱈目な行動もまた神の摂理と思わされる。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ぽんしゅう[*]

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