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[コメント] ライムライト(1952/米)

美しい旋律は恋そのものだ。チャップリンのナルシズムか?そうではあるまい。
週一本

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







どれだけの芸人が舞台で死にたいと願っただろう。

そのうちの9割、99パーセントは人知れずステージを降りたであろう。

力不足に衰えに病に老いに、、残った時間、どれだけの寂しさが彼らを涙させたか。

チャップリンもわかっていたはずだ、メイクを剥がし、老いた素顔をさらして。

受けに受けた、ハートはもう持たない、舞台の袖で愛する人を見つめ終える。

なんたるパッピーエンド、彼のナルシズムがそうさせるのか?

そうではあるまい。

多くの仲間が去った、舞台で死ねた人間など誰もいなかった。

彼らに語ってやれる物語はないのか?幸せな男カルベロの物語。

デタラメでも嘘でもいい、映画なんだ、誰もがみたい夢をみせるのだ。

人が孤独に涙を流そうとも、カルベロがいたのだ、幸せな男は確かにいたのだ。

この物語を語れば人はそれを思い出す。

オレはこのチャップリンの優しさが好きだ。

あの恋したような、恋そのもののような旋律が好きだ。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)DSCH けにろん[*]

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