イリア・ナイシュラー監督の前作『ハードコア』に関するネタバレあり。

映画における喜びに満ちた殺戮の倫理性という評について、ゑぎさんのコメントに付け加えることはほぼありません。殺戮シーンにクイーンのあの曲を当てるくらいの人です。誰でも思いつくかもしれませんが、やるならきちんと覚悟とセンスが必要で、ちゃんとやるのが素晴らしい。バスの乱闘で振り切れた暴力がギャグに転換されるあたりから既にこの意思が表明される。殺戮ファンタジーが許される映画天国で遊ぶということ。Don’t stop me now.Cause I’m havin’ a good time, havin’ a good time！であり、今作のWhat a Wonderful Worldというわけ。この明るさが良い。ある程度映画を見慣れた人なら珍しくないのかもしれないが、私はどうしてもこういう意思表明に感動してしまう。

ちなみに監督はミュージシャンでもある。アクションのテンポの良さや楽曲使いのセンスはこのことと無縁ではないだろう。

ファンタジーとケレン味への信頼がうかがえるこの監督は、わたくし的に買いです。次作も楽しみ。前作がイロモノなのでこの界隈にはファンが少なそうですが、、、

オーデンカークはとても格好いい。 出だしは抑制的に見せかけて結局マンガなクリストファー・ロイドがすばらしい。得物がショットガンなのが何故か納得。マイケル・アイアンサイドにはもうちょっと美味しいところをあげて欲しかったかな、、、

［笑ったシーン］

1.ユリアンの変な歌とダンス（わたしの愛しい会計士）

2.縦転する車を横からフィックスで撮るカット（トランクからズルズルと這い出すオーデンカーク）

3．「価値のある腕時計」＝アイアンナックル

4．RZAの狙撃銃での近接戦

5．ストロー

6．回春する人物は二人

7．次、停まります。

8．怪我比べ

9．マイク越しのノリノリなRZA

10.「黒人のロシア人は珍しいな」「しょっちゅう言われる」

その他多数。