[コメント] トイ・ストーリー2(1999/米)
前作を踏襲しない物語作りへの意志に好感が持てるSO-SO作品
これは第3作にもいえることであるが、キャラクターシリーズものでありながら、地となる舞台設定を巧みに用意するので、まったくパターン化に陥らない作劇をものとしている。これは、シリーズものを製作するうえでのコンセプトメイキングが実によく練られていることの証だ。前作のプライベートな空間での葛藤から、今作では悪い大人たちが支配する世界での葛藤という設定を採用し成功。大人のキャラクターもまた、無理なくデフォルメされて描かれるので、地に足が着くドラマに安定性が生まれている。期待のアニメ作家ジョン・ラセターここにありという才能を感じさせる。悪徳コレクターのおっさんがまた実に憎らしく、だが、そこには人間と人形の距離感をあくまで保って直接的な対峙関係にならないところもよく考えられている。前作の登場があまりにインパクトが大きかったため、今作では平均以上という出来であったが、このプロダクションの懐の深さを伝えるのには十分すぎるくらいの結果となった。
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