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[コメント] 女っ気なし(2011/仏)

一見ロメール風に思えるが彼とはまたスタイルが違う。1シーン、1ショット毎に映画が再発明されなおしていくかのような清新さ。歴史的事件に遭遇したかのような衝撃を覚えた。
赤い戦車

興奮のため冷静さを欠く文章になっているが、とりあえず書いておく。

ディスコからの帰り道、夕方なのか夜明けなのか精妙な光と天候の下、男女の横顔がポンと3ショット挿入される。そしてまた次の場面へ。そうか、映画とはこれだけでいいものだったのだ、と感銘を受けた。或いは印象的に撮られた、女の輝く後ろ髪の美しさ。実に見事な照明だ。男女がベッドインして朝を迎えた時の、あのうなじのショットの清新さを見よ。

また、ディスコで娘がトイレ待ちをしていて通路に目をやると、主人公がそこを通る。娘に切り返されると、ふっと視線を下にやる。あ、もうこれだけでいいんだ、と。なんという簡潔さか。他にも主人公の家を訪れた娘との会話で、泣き出す瞬間をオフで処理してるってのも地味に良い。要するに、本作には「過程」しかないわけです。

・メモを書く手から上にパンして主人公の斜めった横顔が写るショット(そういえばここも「うなじ」が映っていたような)!次のショットで娘の視線であることが示されるわけで、くぅ〜、これもたまらん。凄いよ、これ。

もう死ぬほど面白かった。何で面白かったのか皆目見当が付かぬのだけど。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ゑぎ[*]

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