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[コメント] 紀元前1万年(2008/米=ニュージーランド)

ストーリーはご都合主義で、一本道。当時の人類があそこまで道徳心や愛情に友情のような感情を持てたかどうか疑問で、なんとも評価しがたい微妙さがある。CGには少々食傷気味。
サイモン64

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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原野から雪山、砂漠、そしてピラミッド建設場へと続く広大な景観や、すでに絶滅した動物たちの姿を楽しませてくれるものの、「所詮CGだろ?」と、なんだか醒め切ってしまった自分がいる。自分が映画で見たいものは美麗なCGではなく、面白い物語なのだ。極端な話、背景なんか書き割りでも面白い映画は出来るだろう。CG抜きだと成立しないような、CGが主役に座ってる映画はどうにも興ざめだ。

ストーリーは占い師の予言に従って進行するのだが、これがご都合主義で一本道で、どうにも納得のいかない所が多々ある。人が行動する時には選択が伴い、選択には理由があるものだが、この映画では、何かに導かれるようにあれよあれよと舞台が進行してしまう。その進行の様子を傍観しながら、最後の最後まで「そんなにうまく行くものなのかなー」と、しきりに不思議に思って、ますます醒めた気分になってしまった。

見せ場のハズのスペクタクルシーンの数々は、何故かあまり印象に残らず通過してしまう。人さらいの親分の行動原理も部族なのか女なのか宗教なのかドコにあるのかよくわからないので、どうにも扱いに困ってしまう。

キリストが生まれること一万年前の世界の話だけに、どんな宗教や倫理観に人が支配されているのか良く判らず、当時の人がここまで部族の垣根を越えて理解したり友情を持ったり出来るのかどうかが非常に疑問で、何とも評価しがたい微妙さがある。

細部に凝っているように見えながら、壁画がやけに稚拙だったりと、ちぐはぐなところが見え隠れする不思議な作品。

記録されていない歴史上の世界観を創作するのなら、もっと大胆に言い切りつつ、細部の説明はもう少し必要だろうと思った。

(評価:★3)

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