[コメント] マーニー(1964/米)
ヒッチコックらしい「母」をめぐる物語をロバート・バークスの撮影術が彩る。自在なカメラポジション/アングルによって醸し出される官能性。金庫破りシーンのティッピ・ヘドレンと清掃婦の画面配置。「めまいショット」で始まるフラッシュバックの不気味さと力強さ。
赤という「色」、雷の「光」、ノックの「音」、男の「接触」。ヘドレンのトラウマを呼び起こす要素を視覚・聴覚・触覚に振り分け、それぞれを印象的に演出することで映画に楔を打ち込む。『鳥』までの約十年間があまりにも神懸かっていたというだけで、ここでもヒッチコックの技術の充実は疑いえない。
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