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[コメント] 巌窟の野獣(1939/英)

ヒッチコックが表現主義期のウーファにルーツを持つ演出家であるという事実は軽視されすぎているのかもしれない。英国時代の作品には多く共通して云えることだが、ここでの禍々しい美術にも表現主義の感覚が息づいている。ジャマイカ・インの歪んだ外観。ほとんど九〇度に曲がった木。吹き荒れすぎの嵐。
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**ネタバレ注意**
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チャールズ・ロートンはほぼやりたい放題。「チャードウィ〜ック」がヒッチコックのディレクションによるものだとは思えない。ま、面白いけど。Introducingとなっているからこれが実質的なデビュー作なのか、モーリン・オハラはしかしこの頃から凄い存在感だ。ヒッチコック的な官能性よりも「強さ」が前面に出た女性像だが。ヒーローたるべきロバート・ニュートンはちょっとハーポ・マルクス似であまり真面目にやっているようには見えず、緊張感を削ぐ。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)くたー[*]

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