誰より京マチ子が素敵です。このとき32歳？ 見えない！ 冒頭の「うちビーナスや！」（ガム噛みながら）にゲラｗ　 父親が尋ねて来るシーンでの台詞が素晴らしい。「そんなら何でママを大事にしたげへなんだんや！」これって船場言葉ですよね？ 神戸でもこういう言葉遣いをしたのか、台詞として船場言葉を取り入れたのか私には判りませんが、ミッキーの育ちの良さを余すとことなく伝えています。

若尾文子、『祇園囃子』から３年でここまでパン子になるのね。やっぱり可愛いけど。イケズな女ぶりはさすがです。

同じく『祇園囃子』から３年、舞妓に甘いこと言いすぎであの屋形（置屋）も潰れたのか、都落ちして吉原の娼妓に成り果てた木暮実千代。乳飲み子を抱いて亭主とラーメンを啜るシーンの所帯染み方に女優魂を感じます。脚開き過ぎよ。

三益愛子、よく引き受けたなぁ。息子役が川口浩だったら最高だったのに。

前にも観た事あるんですが、やっぱり汚い！ ここまで汚くする必要があるのかないのか、溝口健二って意地悪です。しかも遺作。最後に言いたかったのはこれなのか？

観客に対する変な媚びがないから作品として完成してるんだとは思いますが、ちょっとは気ィ遣えよ、重いよ！ 救いがなさすぎます。新派悲劇でもないから泣けない重さにウーン。ま、面白いんだけど。