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[コメント] インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国(2008/米)

さすがにハリソン・フォードもお疲れ気味?荒唐無稽な映画なのに、年相応に落ちついてしまっている。考古学モノの割には遺跡や発掘品が粗末にされているのはまだ許すとしても、今回は「考古学モノ」としての体裁そのものが蔑ろ。
煽尼采

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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映画の初っ端、パラマウント社のオープニングロゴの、ピラミッド型の山の画に続いて、小さなピラミッド型の砂山が現れ、それが崩れて中からプレーリードッグが出てくるファーストカットはたぶん、インディらが見つけたピラミッド型の遺跡が最後に崩れ、中から円盤型宇宙船が現れる展開を、ジョークっぽく予告していたのだろう。面白いと言えば面白いのだけど、「宇宙人」という、人間の営みを後から人間自身が発掘する考古学という世界観を破壊するような存在を、目に見える形で登場させてしまったこの映画全体を振り返ってみれば、結局はファーストカットから既にこの作品は、インディ・シリーズのたちの悪いセルフ・パロディに過ぎなかったのだと感じざるを得ない。

冒険家としてよりも大学教授として教壇に立つ方が似合う年になったインディに無理にアクションをさせるという事それ自体は否定しないが、それならば、「俺、もう年なのに、なんでこんな事しなきゃいけないんだよ」という不満タラタラでアクションする姿を前面に出した方が、却って違和感が無かった筈。だが実際には、ハリソン・フォードがローテンションで無難に場面場面をこなしている姿が続いていくばかりで、ドラマ的な緩急とか、手に汗握る感覚とか、そうしたものが致命的に欠けている。

辛うじて『最後の聖戦』は映画館で観、かなり愉しんだ憶えがあるが、あのワクワク感が今回感じられなかったのは、果たして僕が大人になったせいだけなのか。原爆実験場での、カラフルな模型の家でのインディの違和感だけは面白かった。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)DSCH Myurakz[*]

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