[コメント] 一度死んでみた(2019/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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この手の邦画に対する私の不満がことごとく解消されている。全体的に理詰めで作られているのが素晴らしい。それと隅々までの手抜きのなさが相乗効果を出している。
私が理詰め&手抜きの無さの相乗効果が出ていると思ったのは特に以下の5点デス。
1.脚本。伏線回収がきちんと成されているために、リアリティの面で穴や粗のある台本も許せてしまう。例えば、ロッカーでの着替えや宇宙服がきちんと回収されているために、死体にドライアイス処理されてなくても、そこは敢えてはしょったのねと思わせる。
2.考えられたキャスティングとそれに応える演者。こんなもんでいいっしょ的な演技の割り切りが見られない。これが細部に至るまで徹底している。主役級3人は言うにおよばずだが、特にリリー・フランキーは最高だと思った。あと、ホログラムの中の木村多江。 また、広瀬すずのキックのモーションが本物なので、真壁と本間を配しても映画が崩れない。何げにこれは素晴らしいよ。松田翔太と池田エライザの使い方もいいと思うデス。
3.カメオの使い方。例えば、竹中直人は出過ぎるとくどくなるのが分かってらっしゃる。これくらいの登場時間だと隠し味になるのだと教わりましたデス。
4.ヒャダインの仕事。魂の入っていないデスメタルで、デビューさせられない楽曲という設定を実際に曲にしてしまうというプロの仕事。それでいて、聴けたもんじゃないところまでには至らせないという凄技ぶり。微温い歌詞も見事デス。
5.上記があるために、小ネタがちゃんと笑えるものになっている。つまり痛くない寒くないんだこの映画は。
この映画がこの手の邦画のクリアすべき最低水準になったら、どんなに素晴らしかろうと思って★5にしました。
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