[コメント] 白い巨塔(1966/日)
病院を舞台にしたヤクザ映画。
ボスの座を巡り、権謀術策の数々と、意地と面子がぶつかり合い、それだけが存在意義となるかのような、一つの巨大な集団の姿がまざまざと現われている。
そういえば、劇中、「教授が大名で、助教授は足軽頭」という台詞があり、しかも教授総回診のシーンなどはまさに大名行列そのものでもあった。
ヤクザの世界も、任侠だ、しきたりだなどといっているが、その源流をたどれば実際には、戦国から江戸時代にかけての武家社会のしきたり、慣わしをかなりの部分、真似しており、そのことによって自らの権威を形づくっている。
そういう目で見れば、封建的で古臭く、権威第一のような集団が、ヤクザの世界に似るのも無理もないとも言える。
非常にバタ臭い大阪弁や、ずい分昔のものでも、見れば確かに、「ああ、大阪駅だ」とわかるロケの上手さ。そういう、泥臭い大阪の雰囲気に、今ひとつ、田宮二郎がスマートすぎて、溶け込めてないような感じがありつつも、必死にそこでトップを取ろうとする、その迫力が、絶妙のバランスをとっていて、印象深かった。
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